<049> 小学校入試の受験勉強ができる子供のタイプを教えます(その2)

前回の「勉強ができる子供のタイプ」の続きです。『負けず嫌いな子・勝ち気な子』と『コツコツタイプ・完璧主義者』は小学校や中学校受験に合格しやすいと書きました。このようなタイプでない、ごく普通の子供と楽しくお勉強する方法を紹介します。

(1)これは小学校受験でも、中学校受験でも、高校受験でも、大学受験でも同じですが、一番最初は自分の実力よりも数段易しい問題集から始めるべきです。エスポワールには通信制の講座がありますが、決まって、この講座を始めたばかりの大方のお母様から「うちの子供には易し過ぎる」という学習日記が送られてきます。しびれを切らした一部のお母様は途中で投げ出して、難しい問題集を買い求めたりします。この講座は平均して最初の頃は90%の正答率で、半分あたりで50%、終わり頃は20%~30%の正答率になっています。幼児は不正解が続くとやる気をなくしますので、最初はあえて全問正解に近いものを用意すべきです。心理学者のJ.W.アトキンソンは極端に易しかったり、難しかったりすると達成感がないので、成功率50%が最も達成感を実感しやすいと提唱しています。私は幼児は達成感よりもスムーズな導入の方が重要なので、最初の1~2ヶ月ほどは、およそ90%程度の正解率を取れる問題集で遊びながら誉めながら進めることをお勧めしますが、中学校を受験する場合はアトキンソンのいう50%の方が達成感を体感できるのでベストだと思います。

(2)子供への接し方ですが学習の時間は笑顔で接します。親が育児に追われたり、面倒がったりすると必ず顔に現れます。親が子供とイヤイヤ勉強を始めると子供にも感化します。逆に親が楽しそうにしていると、子供もこれから楽しいことが始まると思えるようになります。エスポワールでは、西野室長が子供たちが入室した時点からニコニコとスマイルで接しています。これは子供(幼児)に勉強を教える基本の姿です。<心理学者のJ.ソース=母親の表情は子供の行動に影響を及ぼす>

(3)紙にスゴロク(双六)を作って壁に貼り、問題が進むにつれて修了の証のシール(市販のファンシーシール)を貼って達成感を味わいます。また、眺めることにより、ゴールが近づいているのを確認します。ゴールまでの所々に段階ごとの節目を作り、小さな達成の喜びを親子で分かち合います。<心理学者のB.F.スキナー=スモールステップの原理>

(4)最初は助言を与えて正解するように導きます。その後、同じ問題の2巡目、3巡目では徐々に助言を少なくしていきます。3巡目では問題を見ただけで答えが頭に浮かぶでしょう。解らない問題や理解できない概念に出会ったら、難しく考えさせないで、さっさと答えと理由を教えて次に進みます。<心理学者のB.F.スキナー=フェーディング>

(5)子供が解答したら即座に答え合わせをして、その結果、褒め称えたり、一緒に残念がったりする。<心理学者のB.F.スキナー=即時確認の原理>

(6)教えたことを忘れても決して叱らない。心理学者のヘルマン・エビングハウスの有名な「エビングハウスの忘却曲線」がありますが、学習直後に100%覚えていたことは、20分後には42%忘れてしまう。1時間後には56%を忘れ、9時間後には64%を忘れ、1日後には74%を忘れてしまいます。6日後には76%を忘れ、1ヶ月後には79%を忘れます。人間は忘れる動物なのです。同じ問題集は最低でも3度は繰り返しましょう。繰り返すことにより記憶は確かになります。

(7)物覚えの良い子には共通点があります。それは独り言を言う子供です。エスポワールでも「あ~そうか、スイカ、イチゴ、メロンは果物ではなくて野菜なんだ。へえ~知らなかったな」などです。独り言というよりか反芻(はんすう)です。トランプを使った神経衰弱でも見た先から忘れてしまう子供と、「2、1、6、3」などと開いたカードをぶつぶつと口ずさんでいる子供がいます。この口に出して繰り返すことをリハーサルと呼びます。一つ一つの物事に対してリハーサルする子供の記憶力は抜群です。黙って母親の指導を聞き流すのではなく、喋らせましょう。そして、親子で言葉を使って問題について話し合いましょう。話し合うこと自体がリハーサルとなり、覚えたことを忘れにくくします。もしくは暗唱が効果があります。

ここでご紹介した1~7(3を除く)は全てエスポワールで実際に行っていることです。私が考えた以上に効果がありますですので小学校受験だけではなく、中学校を受験される方も騙されたと思って、是非ご家庭の学習に取り入れてください。確実に成績が伸びることを私が保証します。

※過去記事の再掲載です(情報は古いです)

エスポワール らくらくさん