<089> 学力だけではなく“全て”を整えて挑むのが小学校受験です

小学校入試におけるペーパー試験の位置付けは、私のメルマガやこのブログで何度も書いてきた通りに、単なる入口に過ぎません。礼儀知らずで、態度が悪ければ、ペーパーが満点でも落ちるのです。ところが、中学・高校・大学はテストの結果だけで、誰でも入ることができますよね。品格も、素養も、家柄も、親の年収も全く関係ありません。学力考査の結果が100%なのです。

それに対して、小学校の入試は全く異なります。ペーパーはあっても、その結果は100%ではありません。イメージとしては「入社試験」に近いです。入社試験の「一般教養テスト」で高得点を取れば入社できると思う人はいませんよね。それなりの得点を取ることは、第1ハードルでしょう。第2ハードルは面接で、出身大学、大学での成績、入社後のパフォーマンス、コネの有無・・・と、その人物とバックグラウンドで評価をします。

それに対して、小学校入試の第2ハードルは、子供の素養、親のステータスなどです。第1ハードルが遠く及ばないお子さんでも、親のステータスのみで合格したお子さんを私は今まで何人も見てきました。しかし、これらは合格者全体の中では少数でしょう。大多数は第1ハードルを突破して、子供の素養と親のステータスを合わせた総合点で決まったと思います。ステータスも必要なのかと、肩を落としてしまう方もいると思いますが、名家の出身であるという意味ではありません。その学校に通う保護者のコミュニティに入る【資格】(比肩のことですね)があるかどうかです。

学校側は、コミュニティに入ることが出来る親子を選んでいるだけです。(小学校受験の世界での名門校と言われている学校ほど、そのハードルは高いです)

憧れの名門小学校に合格させるために、幼児教室へ入れて死ぬほど勉強をさせても、夢は叶わないでしょう。なぜなら、勉強は第1ハードルである、「一般教養試験」の対策に過ぎないからです。これに相当な時間と財産を注ぎ込んでも、中学受験なら通用しますが、小学校受験では別モノです。

ペーパーは、今まで続けているように毎日コツコツと続ければ、それだけでよいのです。それ以上に必死になっても無駄でしょう。

このブログをご覧の方には、それなりの【資格】があると思いますので、日頃の勉強以外で出来ることは、これしか残っていません。それは・・・

「この子は素晴らしい」「この子が欲しい」と思わせることです。(これが全てです)

そのためには、親子で大人の会話をさせたり、絵のない本をたくさん読ませて、頭の回転が速い利発なお子さんにすることです。そして、実年齢以上の礼儀作法を身に付けさせてください。幼稚園や保育園にもいますよね。「あの子は素晴らしいね」と思うようなお子さんです。

実際に合格しているのは、頭でっかちな子供ではなく、彼らばかりですから。(残念ながら競争率が高いので、全てを備えていても叶わないことも多いです)

幼児教室の口車に乗せられて、勉強さえしていれば何とかなると思わずに、今一度、名門と言われている私立小学校が、どのような親子を求めているのかを(客観的に)よく考えて、残りの半年間を有効に活用すべきです。

学力を整えて挑むところではありません。“全て”を整えて挑むのが、小学校受験です。誰もが羨む、「素敵なお子さん」にさせてから、堂々と入試会場へ送り出してください。

※過去記事の再掲載です(情報は古いです)

エスポワール らくらくさん