ぶきっちょさん

「不器用なんです。どうしたら‥‥」という相談をよく受けます。少しは遺伝もあるのかなぁ〜と思われますが、そんなこと言ってはいられません。コツコツと指先の力をつけていくしかありません。まずは生活の中で手先を意識して使わせるようにしていきましょう。洗濯バサミを使わせる、瓶の蓋を開け閉めさせる、安全ピンを留めさせる、針に糸を通させる、お菓子の袋を手で開けさせる、牛乳パックを正しく開けさせる、紙を折って手で切る方法を教える、プレゼントの包装をさせる、バラバラの紙をトントンと揃える、薄い紙を1枚ずつに分ける、卵を割らせる‥‥とにかくさせようと思えば生活の中にいくらでもやらせることは転がっています。今のうちにどんな些細なことも教えて自分でできるようにしてあげたいものです。

ちなみに私は家族の中で1番不器用だと言われて育ちました。母はいつも「あなたは、ほんと〜にぶきっちょね」と言いながら、しょっちゅう私に裁縫の手伝い(毛糸を巻いたり、糸をほどかせたり・・・)をさせました。また兄の趣味だったプラモデルを一緒に作り(壊し?)、邪魔をしていました。小学校に入ってみると「吉川さんは器用ね」と先生や友達に言われることがありましたが、家に帰るとやっぱり、どう頑張っても家族の中で1番不器用でした。自分では「私はぶきっちょなのだ」と思いながら、大人になりました。

今は子ども達に巧緻性の授業ができるまでになりました。不器用だと思いながら、なぜここまでになったかといえば『好きこそものの上手なれ』でしょう。小さい頃から母の裁縫技術と兄の製作技術、少し大きくなってからは父の包丁さばきに憧れを持ってきました。秘かに私も近づきたいと願っていた思いこそ、諦めずに挑戦し続ける原動力だったと思います。

周りの大人が得意な事を見せるだけで、子どもは大きな刺激を受けます。不器用だからと訓練させるだけではなく、やる気を引き出す工夫や演出が必要です。

(エスポワール理事長:ウォーカー和子)


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