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困ったことや、気に入らないことがあると、母親にあたるお子さんをしばしば目にするようになったのは、ここ最近(10年くらいでしょうか)のことのように思えます。どうして自分が失敗したり、ゲームに負けたり、恥ずかしい思いをした時に母親をたたくのでしょうか?
赤ちゃん(人間)が、人とコミュニケーションを取るまず第一歩は、不快な気持ちを伝えることです。「オムツがぬれたよ」「おなかがすいたよ」「暑いよ」「寒いよ」「痛いよ」「痒いよ」すべての不快感を泣いたり、グズグズいうことで伝えていきます。一番近くにいるお母様は、赤ちゃんが何を訴えているのかを察することにより、赤ちゃんから「いつも私の気持ちに答えてくれる人」と認められます。しかし、子どもの気持ちをわかってあげられる時期は、それほど長くは続きません。なぜなら、子どもはもの凄い早さで成長しているからです。
「子どもの気持ちを第一に考えて大切にしたいんです。」「この子の気持ちをわかってやれるのは私だけなんです。」というお母様がたくさんいらっしゃいます。子育ての心構えとしては確かに大切なことですが、人間の思考はそんなに単純ではありません。小さいうちは心も思考回路も単純なのでわかりやすいですが、成長するに従ってどんどん複雑になり、その上個性も出てきます。親はこの急速な成長に果たしてついて行けるのでしょうか?
何でも子どもの気持ちを優先させ、何でも察して手を打つことは、いい加減に止めないと、子どもは「お母様の心と私の心は同じ(一心同体)だ」と勘違いをします。その結果、自分とお母様の気持ちにズレがあった時、自分だけが恥ずかしい思いをした時、悔しい思いをした時に「なんで、わかんないのよ〜」もしくは「あなたも悔しがってよ〜」とばかりに、親にあたるのではないでしょうか?
「あなたの気持ちが、何でもわかるわけではないのよ。」とどこかでキッパリと伝えることが、必要だと思います。またそれは、自分の気持ちを言葉で伝えることの大切さを知る第一歩になります。親離れ、子離れをする時期を逃さないで下さい。
(エスポワール理事長:ウォーカー和子)
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