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私は「はじめてのおつかい」というテレビ番組が苦手です。なぜなら、客観的に観ることができず、ドキドキしてしまうからです。本当に小さい時から1人でお買い物に出されていた私には、主人公になっている子どもの不安な気持ちが痛いほどわかり、苦しくてとてもじゃありませんが観続けることができません。
しかしながら、買い物に行くことで学んだことはたくさんありました。今さらながら親に感謝しています。記憶、助数詞、マナー、発言力の他、工夫すること、考えること、困難に立ち向かうこと(大袈裟かな?)を実践で学ぶことができました。
今思い出してもその緊張感を強く感じるのは、夕方のお肉屋さんや豆腐屋さんです。家から子どもの足でも30歩くらいのところにあったお肉屋さんには、よく買い物に行かされました。初めて聞く名前の「とんこま 500g」を忘れないように家を出ますが、道を渡る時、車に気をつけているうちに何を買うのかを忘れ、もう一度聞きに帰ります。「とんこま 500g」を口ずさみながら行くことを教えられ、お店に着いたものの、背が小さい私はガラスショーケースに隠れてお店の人の顔が見えません。ですから、かなり大きな声で「すみませ〜ん」と言わなければなりませんでした。内弁慶だった私には相当勇気を出さなければならない場面でした。夕方の混んでいる時間帯では、いつ声をかけていいのかわからず挫折して家に帰る時もありました。母に、先に並んでいる人を覚えて、その人たちが買い終わったら自分の番であることを教わり、また仕切り直しです。順番を待っていても、後から割り込んでくるオバサンがいてかなり長い時間待つこともありました。小さいながらに、「ああいう人にはなりたくないなぁ」と思っていました。それとは反対に、私がいることに気付いて「あなたの番よ」と声を掛けて下さる方もいました。ショーケースの近くにいるとお店の人から見えないので少し離れて立つことを教えてくれたのも、買い物に来ていた知らないオバサンです。
残念ながら、今のご時世では幼稚園の子を1人で買い物に行かせられるような安全な地域は、ほとんどないでしょう。それでも機会があれば、どんどん1人で買い物に出して欲しいと思います。消極的な子にはかなりの難関だとは思いますが、何度も経験することで何でもないことに感じるようになることは、私自身で実証されています。
(エスポワール理事長:ウォーカー和子)
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