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私が初めて先生として働き始めた時にお世話になった先輩のK先生のお話です。担任として、先生としてどのように子どもに関わったら良いかを教えてくれた先生です。今の私があるのはこの方のお陰といっても過言ではありません。子どもに接する時に一番大事なことは「笑顔」要するにたくさん笑うことであることを教えてくれました。
「笑う」ということは、物凄いパワーを持っています。たくさん笑うことで重い病気が軽くなったり、医師の宣告よりも寿命が延びたと言う話を聞いたことがありますね。マイナスの思考をプラスに変える時にも笑うことが効果的です。これは、子どもにも同じ様に効き目があります。
ある日、園庭で自由遊びをしていた時のことです。先生の姿を見つけて思いっきり走ってきたのは、色白でひょろひょろと痩せている泣き虫で有名なO君でした。あの段差に引っかかるんじゃないかなぁと思った瞬間に1メートルくらい飛んでいました。ドサッと大きな音がして、遊んでいた子ども達も先生たちも一瞬シーンとなりました。ところが、その静寂を打ち破るように先輩のK先生は「ダッハッハッハ!転んじゃったよ」と、大きな声で笑いながら近づき、「はい、立って!」と言いました。
O君はゆっくり起き上がりました。唇が切れて血が出ていました。今度は「ワッハッハッハ、血も出ちゃったかぁ〜ッハッハッハ」と周りのみんなにも聞こえるように大きな声で笑ったのです。本人は泣くのも忘れて「ニヤ」と照れたように笑い、一瞬固まった周りの子ども達も安心した顔で近づいてきました。「すごいね、こんなに派手に転んだのに笑ってるよ〜強いねぇ、ハッハッハ」もう一度、他の子どもに聞こえるよう高らかに笑いました。(豪快な笑い方ですがK先生は女性です)「笑う」は、ただ面白い時や嬉しい時だけのものではないことを深く刻みました。
笑い声は「辛くないよ」「苦しくないよ」「我慢できるよ」と、心の中で「がんばれ!がんばれ!」と励ましているように聞こえました。笑った表情は「見守っているよ」「大丈夫」と、話しかけている気がしました。子どもは、言葉よりも暖かい気持ちや優しい空気を瞬時に察知する純粋な心を持っています。O君が泣かずに頑張れたのは、K先生の心の言葉が通じたからでしょう。
その反対に、心配されているという気持ちや不安な空気で向かわれるとそういう気持ちになってしまうのが、子どもです。親の過剰な心配が子どもの心を弱くしていないか?泣き虫な子にしていないか?もう一度考えてみて下さい。
(エスポワール理事長:ウォーカー和子)
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