<068> 小学校受験の運動の試験では試験官は何を調べているのかな

読者の方から次のようなメールを頂きました。

『小学校の入試において体操の試験の位置付けを教えて下さい。

ペーパーは足切りということですが、体操も同じでしょうか?

模試では、前転をして起き上がる時に手をついたので、マイナス2点でした』

体操については過去のメルマガでも触れましたが、「普通」であればOKなのです。

私はエスポワールへ私立小学校の先生が生徒募集の営業に来ると必ず聞くことがあって、その一つが…

「運動の試験では何処を見るのですか?」

です。

やはり気にしていることは、健康体かどうかのようです。

身体を動かすことによって障害の有無を調べたり、運動能力が体育の授業についていけないほど劣っていないかを見極めます。

体育の授業についていける普通の身体能力があればOKなので、これは殆どのお子さんは気にしなくても大丈夫です。

次に気にしているところは…

集団行動での規律を守れるかどうかです。

エスポワールで稀に起きる悪い例を挙げてみます。

●列から勝手に外れて先頭の演技を見に行く

●整列時にピョンピョンと跳び跳ねる

●座れの指示なのに立ち上がる

●体操座りの指示なのに、暫くすると足を投げ出してしまう

●全体への指示の時にキョロキョロして聞いていない

●周りの子供にちょっかいを出す

●自分のゼッケンをいじくり回していて、前を向いていない

多動行動と注意力散漫とお友達にちょっかいを出すようなお子さんは、真っ先に敬遠されます。

一部のお子さんを除いて、多くのお子さんは大丈夫だと思いますよ。

次に大切なことは…

複数の指示を一度に聞いて、理解しながら行動ができるかです。

例えば次のような指示です…

(1) 平均台を渡って

(2) 跳び箱の上で好きなポーズをしてからジャンプをして

(3) 片足ケンケンをしてから

(4) マットでは横向きで手足を伸ばしてゴロゴロをして

(5) カラーコーンを2周して

(6) 自分のグループの一番最後に並んで体操座りをして待つ

試験官の説明をよく聞き、模範演技をしっかりと覚える必要があります。これが一番大切なことです。

平均台から落ちてしまっても、途中から続ければOKです。(運が悪かっただけです)

跳び箱の上で恥ずかしがって指をくわえてボーッと立っていたらNGです。(指示と違います)

片足ケンケンなのに、運悪くバランスを崩して両足を着いてしまってもOKです。(運が悪かっただけです)

手足を伸ばしてゴロゴロなのに手を伸ばさずにゴロゴロしたらNGです。(指示と違います)

カラーコーンを1周しかしなかったらNGです。(指示と違います)

以上が「運動」の試験なのです。

まとめると…

●体育の授業についていける普通の身体能力があるか

●集団行動での規律を守れるかどうか

●指示を聞いて理解できる能力があるかどうか

運動神経が鈍いお子さんが体操教室へ行く価値はありますが、普通の身体能力を持つお子さんが体操教室へ行って必要以上に運動能力を高める必要はありません。

読者が気になった、前転で手をついてのマイナス点は、それは視点のずれた公開模試の会社がその部分に配点を置いたまでであって、実際の試験官が気にする部分ではありません。

エスポワールでは首都圏主要校の運動試験の過去問からピックアップした運動の授業を行っていますが、それは集団での規律や複数の指示を聞き取るのに慣れるためです。

規律の全くない託児所に通うお子さんや、規律の緩い保育園児、自由保育の幼稚園に通わせている自由奔放なお子さんは、運動試験(規律と指示行動)が不得手な傾向があるので、主にそのようなお子さんに向けての授業になっています。

また、海での遠泳が全員の課題になっている小学校や、スポーツの全国大会に出場するような小学校では、平均以上の身体能力を欲しがる傾向はあります。

※過去記事の再掲載です

エスポワール らくらくさん