小学校受験はエスポワール

 

2歳・3歳から独立するまでの躾

前回は「パパからの宿題」というテーマで、小学校の高学年以上を対象にしたものでした。文中に遺書なるものを書いたので、余命幾ばくもないと思われたのか、数件のお見舞いのメールを頂戴しました。しかし、私は至って元気であります。検診オタクなので定期的に大腸内視鏡(毎年)、全身PET−CT(2年に1度)、脳のMRI・MRA(3年に1度)、各種腫瘍マーカー(毎年)、心臓のホルター心電図・負荷心筋シンチグラム(3年に1度)などを受けているので、今のところは病気は大丈夫かなと思っています。

2年前に1歳児からのキンダークラスが出来てから、このメルマガの読者にも3歳未満のお子様を持つ読者が増えてきました。過去のメルマガには入園前の育て方について触れたことがありますが、当時は私自身に子供がいなかったこともあって、今一つ自信がないものもありました。数多くのリクエストがありながらも結果的に避けていた入園前の話題ですが、私のお父さん歴も間もなく4年となり、そろそろ書けそうな気がしたので今回のテーマとさせて頂きます。

入園前のお子様を持つ親御さんから頂戴する一番多い相談は「人見知り」です。女児よりも圧倒的に男児に多い傾向があります。実は我が家の息子も生後7ヶ月くらいから激しい人見知りでした。エスポワールへ連れて行っても、職員室に入ると同時に私の後ろに隠れて顔を出しません。特に伸子先生は息子にとって天敵なのか、赤ん坊の時から抱っこされるたびに大泣きしていました。こんなに弱っちいのでは息子の将来が心配なので、エスポワールのキンダークラスに入園させようと思ったのですが、他の親御さんから公私混同と批判されそうなので見合わせました。

結局、キンダーを諦めて、過去に自分がメルマガに書いた通りに実践することにしました。過去ログが行方不明なので完全には思い出せないのですが、商店街で買い物をするときに、子供好きな店員を見つけておいて「挽肉を100gください」とか「このトマトをください」と言わせて大人に馴れることを紹介したと思います。

我が家では徒歩圏内に商店街がないので、近くにある恵比寿三越で実行させました。効果はすぐに現れて、精肉コーナーの笑福亭笑瓶さんに似たおじさんと、とても親しくなりました。会う度に、おじさんは「元気かな〜」とか「今日はお父さんのお手伝いですか〜」と声を掛けてくれました。やがて息子は饒舌になり、店内に入ると真っ先におじさんのところへ駆け寄って「おじさん(試食の)お肉ちょーだい!」と遠慮なく言えるようになり、レジのお姉さんやおばさんにも「これはボクのだからシールだけでいいです、いいです」とか「その髪型いいですね」なんて、私でも言えないようなことまでも平気で話せるようになりました。勿論、息子が話し掛けても子供の扱いに馴れていない人は返事をしてくれないので、どんなにレジが混んでいても、馴れている店員さんがいるところに並ぶようにしています。

先日、精肉コーナーのおじさんは息子を二度、三度と抱き上げてくれました。今までのお付き合いの中で、息子を抱き上げたのは初めてだったので「今日は一体どうしたんだろう」と思っていたら、それ以降、おじさんを見かけなくなりました。息子が寂しがっているので他の店員さんに聞いたところ、日本橋本店へ異動になったそうです。その時、あの抱っこは息子へのお別れの挨拶だったんだなと気付きました。

人見知りの次は、これも相談が多い「親の言うことを聞かない」についてです。言葉を話すようになると、優しくダメなことだと教えても一向に止めずに繰り返します。キーッ!と睨んでも全く効果がありません。大人しい子供は別として、活発な子供の場合はそれは大変です。理性で行動ができる月齢でもなく、本能の赴くままに行動しているだけなので、いくら言葉を投げかけても通じるものではありません。

月齢的に最年少〜年少さんしかこのような状況にならないと思いますが、教室で同じような場面に遭遇したときは、私は両手で子供の両肘下をホールドしながら、目線を合わせてコンコンと諭します。振り解こうと抵抗はしますが、やがて大人しくなります。その時に「もうやらないよね」と言うと「はい」とか「うん」とか言うので、効果があったように見えますが、それは先生の言っていることを理解して返事をしたのではなく、両腕の自由を奪われて、身動きがとれずに観念しただけなのです。根気よくこのような指導を継続させれば、いずれ良いことと悪いことの分別がつくようになった頃には、うわの空ではなくストレートに通じるようになるでしょう。

しかし、実際に親になって解ったのですが、家庭では崇高な教育理論とか教科書的な育児書とは大きな隔たりがあることを知りました。子供は外ではやや遠慮しますが、家の中では親子の馴れ合いもあるので極めて遠慮知らずです。優しく諭しても、厳しく言い放っても言うことを聞きません。両腕を押さえても海老反りになって激しく抵抗します。育児書に書いてある通りにお母さんが「そんなことをしたらママは悲しいよ」と言っても知らん顔です。言っている意味が通じる精神月齢ならまだしも、通じていないのにいくら言っても効きません。ギュッと抱きしめても、落ち着かせる効果があるだけで根本的な解決にはなっていません。

我が家では言うことを聞かずに激しく抵抗するときは、「○○をしてはいけません。パパの言うことを聞きなさい。」と言いながら、床に仰向けに寝かせて手首を万歳の状態で押さえつけます。子供の両足も膝を使って動かないようにします。初めは動こうと抵抗しますが、無理だと解ると大人しくなります。

この方法は昔、家庭教師先だった某デパートの外商部長さん(実はブリーダーで数々の入賞歴があります)から教えてもらったような気がするのですが、暴れて言うことを聞かない犬を躾けるときは、前足を押さえて仰向けにするそうです。犬にとって一番弱い部分(お腹)を相手に見せることによって主従の関係をハッキリさせるのが目的らしいです。このことが頭に残っていたので息子に試したら目に見える効果がありました。息子は人間なので、お腹を見られたから従ったのではなく、父親の腕力に逆らえずに従ったのでしょう。時に父親は自分中心に世の中が回っていないことを教える必要があるようです。

良いことと悪いことの分別ができるようになったら、この押さえつけ作戦は終わりです。月齢的には年少さんの頃だと思います。「オモチャを片付けなさい」と言われても億劫なので放っておく。「歯を磨きなさい」と言われても面倒なので無視する。「寝る時間よ」と言われても聞かなかったことにするなど、本能で夢中になるのではなく、良くないことだと知りつつも行動しない。また、口の利き方も生意気になり、親からすれば我が子に対して腹立たしさを感じる一番最初かもしれません。オモチャを片付けなければ二度と買わないと言っても「いいよ」と言うし、捨ててしまうぞ、と言っても「いいよ」と言う。実際に腹が立って、オモチャを捨ててしまう親もいるでしょう。この頃になって初めて子供に手を挙げてしまう親も現れると思います。

我が家では「パパが10数えるうちにオモチャを片付けなさい」と言います。「イチ、ニ、サン、シ、ゴ・・・」と数えます。「ジュウ」まで数えても動かないときは、息子を抱えて納戸に「収納」します。別の言い方をすれば「ぶち込み」ます。一度10までを経験すると驚いて「イチ、ニ」と聞いただけで素早く行動できるようになります。あまり驚かすのは可愛そうなので、自主規制として「オモチャの片付け」と「歯磨き」と「就寝」に限定して運用しています。しかし、副反応としてその他のことも概ね素直に行動ができるようになりました。

我が家は「イチ、ニ、サン」作戦の真っ最中ですが、年中さんくらいになり、話し合えばお互いの考えを理解できるようになったら、新作の次の作戦を実行するつもりです。とは言っても、年中さんになったら物分かりが良くなっているので、親の手を煩わすことは殆どなくなっていることでしょう。次の作戦の対象年齢は広いです。年中さんから子供が独立するまでずっと続きます。

私の書斎にある机は壁側に向かって設置してあるのではなく、会社の役員室とか大統領の執務室のように部屋の中央に向かって置いてあります。今は部屋の中央には何もないのですが、将来的には小さめの応接セットを用意しようかなと思っています。息子や娘に「後で話があるからお父さんの部屋に来なさい」と呼びつけるつもりです。私もサラリーマンの頃はお偉いさんに「私の部屋に来なさい」と呼び出されたときは、誉められるのか、それとも叱られるのかとビクビクしたものです。私の書斎では良い事をしたときは徹底的に誉めて、悪い事をしたときは徹底的に話し合うつもりです。これは年中から成人して独立するまで続けます。

そう言えば、よくある相談なのに書き忘れたことがあります。玩具コーナーで子供が駄々をこねるときの対処法です。今から6年前に私が書いた無責任なメルマガによれば「これと、あれではどっちかいいかな」などと言って歩き回らせ、身体を動かすことによって忘れさせるとか、お財布を見せて「100円しかないからこれでは買えないね」と納得させるとありましたが、実際に親になって現実というものを思い知らされました。今回のメルマガ上で、お詫びを申し上げ、下記の通りに訂正したいと思います。

思うほど効果はありませんでしたので、新しい方法を紹介します。我が家では、何処へ行こうと家を出る前に息子に「今日は○○に出かけるけれど一緒に行くか?但し、今日はオモチャは買いません」と宣言します。「五反田のアカチャンホンポに行くけれど、オモチャは買わないよ。それでもよかったら一緒に行くかい?」と言います。「オモチャは欲しいって言わないよ。だから一緒に行く。」と言いますが、やはりオモチャを目の当たりにすると、初めて見るオモチャでも「ずっと前から欲しかったオモチャだ、欲しいよ〜、欲しいよ〜」と駄々をこねます。しかし、前振りがあるので、激しい抵抗には遭いません。「後で買ってやる」「そのうちに買ってやる」「いい子にしていたら買ってあげる」「ジイジが買ってくれる」など子供に嘘はつかないことにしています。「今日は買わないと約束して来たので買いません」これで終わりです。毎回毎回「買いません」では可愛そうなので、たまには「今日は“トイザらス”で好きなものを買ってあげるぞ」という特別な日もあります。

長々と書いてしまいましたが、子育てに苦労している皆様のお役に立てば幸甚です。

最後に、伸子先生は息子の天敵と書きましたが、今では大の仲良しです。誤解されそうなので書いておきますが、決して怖い先生ではありません。毎年、11月の新年度の募集直後に年中、年長クラスともすぐに満席になってしまう一番人気の先生なのです。

(メルマガ担当:上田トモヤ)



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