小学校受験はエスポワール

 

20年後の子供たち

ほんの少し前のことですが、エスポワールの職員旅行がありました。幼児の受験業界は10月末で1年が終わり11月1日から新年度が始まりますので、そのわずかな狭間で骨休めです。場所は神奈川県の箱根にある『強羅花壇』という旅館でした。残念ながら私は参加できなかったのですが、和気あいあいと楽しかったそうです。

実は強羅花壇さんには事前に「『接客マナー』を学ぶことを兼ねた職員旅行ですので、貴宿にはご迷惑をお掛けすることがあるかもしれません。その際はどうかお許しください」と伝えてありました。エスポワールでは年少さんから年長さんに対して、ドアの開け閉め、挨拶時の目線や声の大きさ、お辞儀の角度、歩き方や座り方の姿勢については常日頃から厳しく指導をしているつもりです。

いつも子供たちの動きばかりを見ているので、日本有数の高級旅館として名を馳せている強羅花壇さんの仲居さんからプロの美しく自然な動きを学ばせて頂こうというのが今回の旅行の狙いでした。お世話になった仲居さんは、ひろ子さんという名前のとても素敵な方だったそうです。これからのエスポワールは、特に女子校コースのお嬢様たちにですが、型どおりに行動するだけではなく、ひろ子さんのように静と動を織り交ぜた無駄のない美しい動きができるように指導ができたらと思っています。我が家の十ヶ月の娘が年中さんの歳になったら、是非とも強羅花壇さんに投宿して、引き戸や襖の開け閉めから、お茶の運び方、配膳などが美しく見える奥義を教えて頂こうかなと思っています。

配膳で思い出しましたが、エスポワールの年長さんのクラスでは毎年、配膳の授業があります。元々は東京の名門女子校であります雙葉小学校の過去の母子面接の席上で、面接官と母親の目の前でお子様に配膳をさせるというのがありました。正しい位置に和食器を並べる、お茶碗を持ち正しく箸を持ち替えることができるかどうかという、普段の躾を見る試験です。雙葉小の対策以前に、男の子でも女の子でもせめてご飯と汁物の位置関係とお箸を置く向きぐらいはエスポワールに来る前に躾けておいて欲しいなと思います。今年度は年長さんの第7回講座(12月の第3週)で配膳の授業がありますので、ドキッとされた方は今のうちから予習をお願いします。

話は変わり、1年半ほど前にNHKの「おかあさんといっしょ」を卒業された佐藤弘道お兄さんがあるトーク番組で「今まで、子供ってホントに可愛いですよねと、言い続けてきたけれど、実際に自分の子供が生まれてくると、子供が可愛いって言うのはこういうことだったんだと初めて知った」と、このようなニュアンスで言っているのを見ました。

私も全く同じで、エスポワールに通われている保護者の皆様に「子供って可愛いですよね」と言ったことがありますが、父親になってみると、何も知らないのに何て薄っぺらなことを言っていたんだろうと思いました。子供は可愛いという言葉は同じだけれど、可愛いと思う感情が比べものにならないくらいに違うことを知りました。心の奥底からこみ上げてくる愛おしさでしょうか。女性には母性があるから、これほどのギャップはないのかなと思います。愚息は3歳でイタズラ盛りですが、叱りながらも「うちの子として生まれてきてくれてありがとう」と毎日感謝しています。娘が生まれたら生まれたで「いや〜、女の子ってホントに可愛いな」としみじみ感じています。妻の寝顔はすぐに見飽きてしまうけれど、子供たちの寝顔はいつまで眺めていても見飽きることはありません。

子供を持つと、身も知らずの周りの子供たちまでもが可愛く見えてしまうものなんですね。公園でヨチヨチ歩きの子供を見ると微笑ましく思えるようになり、テレビで子供が事故に巻き込まれるニュースに接すると悲しくて正視できなくなります。

エスポワールの子供たちへは、先生と生徒の立場ではなく、我が子のように接してきたつもりです。私が息子に願うこと、それは何時でも自分の意見を堂々と言えるようになることです。小学校や中学校生活では自ら喋らないと楽しくはないですよね。高校生くらいになると寡黙な方がモテますが、小学校や中学校では雄弁なほど人気者になります。言いたいことがあるのに言えないほど辛いことはありません。私は子供たちに息子を重ね合わせながら指導を行ってきたつもりです。

年長さんはリーダー(日直)が先生のお手伝いをしたり、教室の後ろに保護者が居並ぶ前で、事前に丸暗記した台本通りに5分間の授業を受け持ったりします。時には詩の暗唱や独唱の発表もあります。言語の時間では好きな絵本のあらすじと感想を保護者の前で発表したりします。最初の頃は下を向いたまま固まってしまったり、涙ぐむ子供もいました。相当に辛かったんだなと思います。しかし、子供は順応しやすいので、数ヶ月も経てば、どんなに引っ込み思案なお子様でも見違えるように堂々と言えるようになります。今はタフネスでないと生きていくのが辛い世の中なので、息子にも子供たちにも雄弁で強くなってもらいと願いながら育てました。

女の子は一に賢く、二に賢く、三、四がなくて五に賢くと育てたつもりです。これは私の娘に望むことです。礼節を知り、頭の回転が速く、そして、しっかりとした自分の意見を持つことです。嘘泣きや甘えは突き放しました。私が口癖のように「自分で考えた?」「よく考えて」と言いながら、人に頼るのではなく、自分で考えて責任を持って行動できるように育てたつもりです。本音は低俗な男どもが畏怖して近づけない賢いオーラを身につけさせることです。

エスポワールは受験のための行動観察教室ですが、個人的には入試の結果にかかわらず、子供たちの20年後を見据えた指導を行ってきたつもりです。雄弁でタフになった男の子たちが20年後に何をしているのか楽しみです。礼儀正しく賢くなった女の子たちが20年後にどんな生活をしているのでしょうか。私が担当した講座の最終授業では「20年後にお子様がどのような生き方をしてきたかを拝見しにお邪魔するかもしれないので、決して驚かないでください」と親御さんに予告済みです。なので、今から20年後がとても楽しみです。

(メルマガ担当:上田トモヤ)



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