小学校受験はエスポワール

 

そうなんだ

私が担当した大阪の夏期スクーリングにご参加頂いたお母様から京都の私立小学校に合格したという朗報が届きました。私は日頃からメルマガ等で「エスポワールは誰一人として子供たちを蚊帳(かや)の外に置かない」「目配り、気配りで誰もが輪の中心にいるようにする」と書いてきました。そして、常にそのことを意識しながら指導を行ってきたつもりです。大阪では3日間の最終日の残り5分までは順調に授業は進みました。チラッと時計を見たら、残すところ5分となりました。『あと5分でこの子たちとお別れか、いやぁ〜本当に寂しいなぁ。あっという間の3日間だったな』と油断していると、ある女の子が唐突に「先生、本当はね、私はちゃんと座れるんだよ」と私に言ってきました。

あまりにも突然の出来事だったので、私は頭の中で『えっ、この子は確か、椅子の座り方が悪くて、3回ほど注意したはずだけれど、一体何が言いたいんだ』と考えた挙げ句、私の口から発した言葉は「そうなんだ」でした。子供の発言には大きく分けて2種類あります。先生の気を引きたくて発言する場合とメッセージを伝えたい場合です。今回は明らかに後者でした。その子は私から姿勢を注意されたことをとても気にしていたに違いありません。久しぶりの授業で私の勘が鈍ったのか、それとも、終わり間際だったので油断したのか、私は「そうなんだ」と心の通わない言葉を使ってしまいました。後片づけをしながら『バカだな、何で“そうなんだ”と言ったんだ』と悔やみました。何で「本当はね、私はちゃんと座れるんだよ」と言ったときに「もちろん、先生は知っていたさ」と言えなかったんだろう。帰りの飛行機でも思い出しては「バカだな」と悔やみました。東京へ帰ってからも悔やみ続けました。合格の便りでちょっぴり救われたような気がします。

さて、前回のメルマガで、生きたザリガニを使い筑波大学附属小学校の入試をエスポワールの授業で再現すると書きました。今回はその結果をご紹介します。子供たちにとっては、ザリガニというグロテスクな生き物は苦手なようです。「今時の子供は臆病だな・・・」なんて思ってはみたのですが、よくよく考えたら私自身は幼稚園時代にザリガニと遊んだ記憶はありません。正確には思い出せませんが、ザリガニを捕って遊んだのは小学2年だったと思います。生まれてから5〜6年しか経っていない園児は、まだまだザリガニと出会わなくて当たり前なんです。参考までに、エスポワール恵比寿に通う生徒さんは地理的に筑波大学附属小学校を受験する人が少ないです。エスポワール茗荷谷は目と鼻の先に筑波大学附属小学校があるので、お教室に通う生徒さんの中で筑波を受験する人は多いです。お教室がある茗荷谷界隈の住民には、国立が第一志望の人もいます。また、本命の私立がダメなときにご近所にある、筑波大学附属小や東京学芸大学附属竹早小、お茶の水女子大学附属小の国立3校を受験することは、ご近所住民のいわば“お約束ごと”のようです。エスポワール恵比寿の子供たちはザリガニを見た瞬間、全員が退(ひ)いてしまいました。勇気を振り絞って素手で掴むことができたのは全体の1割でした。エスポワール茗荷谷の子供たちは5割が素手で掴むことができました。やはり、入試対策で自宅で飼われている人も少なくはなかったようです。

入試を再現することによって見えないものが見えてきました。学校側の意図が見えてきたのです。ザリガニを掴まえられるかどうかを調べるものではないことが分かりました。子供たちはザリガニを見た瞬間、素になるのです。どんなにお行儀良くしていても、どんなに猫をかぶっていても、どんなにお利口さんぶっていても、素になるのです。勝ち気の子供は勝ち気が顔を出し、弱虫の子供は弱虫が顔を出し、もともと姿勢の悪い子供は普段通りに姿勢が悪くなり、もともと騒ぐのが好きな子供は騒ぎたてます。お母様や幼児教室の先生に言われた通りに良い子を装っていても、ザリガニが登場した途端に素になるのです。学校側は本当の姿を見て、欲しい子を選ぶのだなと思いました。

エスポワール恵比寿室長の齋藤伸子は「子供たちのリアクションが予想通りだった」と言いました。齋藤伸子は子供たちとは長いお付き合いなので予想ができますが、入試の試験官は短い間で子供たちの真の姿を知らなくてはなりません。リアクションが予想通りなら、お付き合いが短くても子供を知ることができます。エスポワールの先生の間で一番評価が高かったのは、一瞬退いた後でも「恐いけれど、頑張る」と果敢に挑むことができた子供だそうです。その結果、掴まえることができなくても評価は下がりません。優・良・可・不可なら間違いなく優でしょう。家でザリガニを飼っているので、怖がらずに、つかつかと歩み寄って、ガッと掴むことができる子供の評価は難しいです。優・良・可・不可なら良かな。一般的に国立(小学校)は、附属中学校へ上がれば外部から試験を勝ち抜いた“天才”がたくさん入ってきます。附属高校へ上がれば、更に外部から試験を勝ち抜いた“秀才”がたくさん入ってきます。クジ運で入学した小学生は努力や根性がなければ淘汰され、上級学校へは行けずにドロップアウトしてしまうのです。附属小学校の先生も人間なので、みすみす淘汰されるであろう子供を合格させたりはしません。園児のその時点の知能や学力などは将来も通用するか当てにはできません。きっと、何事にも果敢に挑む根性のある子供を欲しがるのでしょう。

(メルマガ担当:トモヤ)



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