小学校受験はエスポワール

 

般若面

メルマガの読者の方から『我が家には上田先生のお子様と同い年の子供がいます。ご家庭でどのような教育をされているのか、プロの指導法を是非教えてください』というメールを頂戴しました。

メルマガではいつも偉そうなことを書いていますが、ご多分に漏れず、我が家も試行錯誤の毎日です。幼児にも正しい日本語を教えるのが私の信条なので、最初から「猿」は「サル」と教えています。決して「おサルさん」なんて名前では教えません。世間では、2歳で「おサルさん」と教えておきながら、小学校受験の時期になると「おサルさん」では尻取りが成り立たなくなるので、「本当はサルなんだよ」と教え直します。

たった2年で「おサルさん」から「サル」に教え直すのなら、最初から猿は「サル」でよいのではと私は考えました。「猿はキッキー」と教えると、愚息も「猿はキッキー」と覚えます。「象はパォーン」「ライオンはガォー」「アヒルはガーガー」「蛙はケロケロ」「猫はニャーニャー」「犬はワンワン」という具合にです。せっかく、名前を教えるのなら鳴き声も一緒に覚えた方が楽しいのでセットで覚えさせました。

ところが、ある日、子供部屋から聞き捨てならない言葉が聞こえてきました。愚息が「お猿さんだよ〜、お猿さんだよ〜、お猿さんだよ〜」と連呼しているのです。側にいた妻に何が起きているのかを問いただすと、歌の絵本を見ながら童謡の「アイアイ」の歌を愚息と一緒に歌っていたようです。

  アイアイ アイアイ お猿さんだよ

  アイアイ アイアイ 南の島の

  アイアイ アイアイ ・・・・・

幼児の発育に必要な童謡を避けて通るわけにはいかないので、その日以来、私も「アイアイ アイアイ お猿さんだよ〜」と歌うようになりました。

正しい動物の名前を教えるのは惨敗でしたが、正しい人間の姿や正しい動物の姿、正しい乗り物の姿にはこだわることにしました。世の中には人間の躰にアンパンの顔をしたキャラクターや、蒸気機関車なのに、なぜか顔がくっついているキャラクターが氾濫しています。純真無垢な幼児のうちから、現実離れしたモノを見せるのは教育上は良くないことだと考えた私は買わないことにしました。

ある日、私の実家に愚息と帰ったときに、疲れたのでウトウトとお昼寝をしていたら、聞き捨てならない言葉が耳に飛び込んできました。「アンパンマ〜ン、アンパンマ〜ン」と愚息が絶叫しているのです。何事かと飛び起きたら、愚息の顔の2倍ほどある、でっかいアンパンマンの顔がプリントされたTシャツを着て喜んでいるのです。私の母曰く「孫の喜ぶ顔が見たくて買った」とのことです。その日以来、私はアンパンマンも機関車トーマスも広い心で許容することにしました。

このような調子なので、アマチュアの私にはプロの指導法など分かりません。愚息を今月からでも、キンダーガーテン・エスポワールに通わせようかと、かなり真剣に考えているくらいです。

さてさて、話題は年長さんへと変わります。9月になりました。恵比寿を歩いていると、エスポワールのお母様のことではありません。よその幼児教室のお母様だと思いますが、般若面(はんにゃづら)のお母様が増えてきました。元々は美人なお母様だと思うのですが、入試まで日がなくなり焦り出すと、受験母は般若になるようです。怖い顔して、子供の腕を掴んで引きずるようにお教室へ向かいます。当初は「運が良ければ私立へ行こうかな」なんて言っていたお母様は、この時期になると「これだけのお金と時間を費やしたのだから今更引き下がれない」「周囲の皆が受験することを知っているから絶対に入ってやる」と、ますます怖い顔になっていきます。

「この時期は毎日ペーパー30枚は当たり前よ」なんて噂が飛び交います。実際に毎日30枚勉強したお子様は受かったのかも知れません。それは、30枚勉強したから受かったのではなく、この時期に一定の学力さえ整っていれば、1枚でも、5枚でも受かっていたと思います。その人は、30枚こなしただけです。学力が一定レベルに達していれば、それ以上何枚やっても大差はありません。30枚のお母様が合格できたのは、毎日30枚勉強したので「絶対に落ちるわけがない」という心の余裕があったからだと思います。心に余裕ができたお母様は般若にはなりません。故に、子供に優しく接することもできたのでしょう。

何度も何度も繰り返し書きますが、小学校受験は学力ではありません。ペーパーはボーダーライン以上を取ればよいのです。その中から学校が好き勝手に子供を選ぶのです。例えですが、100名の定員があって受験者が700名だと競争率は7倍です。ペーパーで半数に絞って、残りの350名から100名を選ぶ、競争率3.5倍がこの世界の受験の姿です。残った350名の中にオーラ輝く素敵な子供が半数の175名いたら、競争率は1.75倍となります。勉強もできるし、輝くオーラがあっても、175名中、75名は不運にも不合格となってしまいます。これが受験なのです。模試でシングル(常に上位1桁)の常連でも、入試に落ちるのは、このような仕組みだからです。

一番大切なことは・・・誉めて、誉めて、誉めて、子供に自信をつけさせることです。自分に自信のある子は強いし、輝いています。ペーパーの出来を誉めるのではありません。人間を誉めるのです。般若面のお母様の子は顔も卑屈になっているので、ペーパーは通っても、最終まで残ることはないでしょう。笑う門には福来たる。般若ではなく天女になってください。

メルマガ読者から頂く、毎年の反省の弁 

      第1位は「子供に自信をつけさせれば良かった」です。

(メルマガ担当:トモヤ)



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