小学校受験はエスポワール

 

さびしんぼう

何年も前からリクエストが多かったにもかかわらず、忙しくて全く手を付けられなかったキンダークラスですが、この世界で有名なスペシャリストがエスポワールに入社したお陰で瞬く間に開園の運びとなりました。

他の幼児教室と同じことをするのはエスポワールとしてのプライドが許さないので、幼稚園と同じようにお預かりは、月曜日から金曜日までの毎日となり、1日は指導2時間、延長1時間の3時間保育です。園長1名に補助指導員の保育士は幼児3名につき1名、カリキュラムは保育園ではなく幼稚園に準じたもの(幼稚園を易しくしたもの)を作りました。毎日お預かりするため、お月謝は高くなりましたが、このお月謝では採算は全く合いません。

このキンダーは幼児教室なので無認可です。認可も検討しましたが、幼稚園の認可は園庭もないし、そもそも対象が3歳以上なので無理です。認可保育園の資格は福祉施設扱いなので、法律上は、お仕事などで『保育に欠ける』と判断したご家庭しか受け入れることはできません。園は助成金も受け取れますが、入園窓口は私立でも各市町村となります。それに対して、認証保育園は助成金もなく、預かる理由も必要ありません。それは、都道府県の認証制度ができる数年前までは無認可保育園だったからです。しかし、認証には0歳児の受け入れが絶対条件なので諦めました。

さて、ここからが今日の本題です。

数年前にエスポワールに通うお子様のお父様から次のような1通のメールを頂きました。

「私が築いた形ある財産はいつかは消えてなくなるけれど、受けた教育は人生の糧になるので、今ある家屋や財産をなげうってでも、我が子には最高の教育を与えたい。エスポワールには受験以前に、女々しい我が子が強くてたくましい男になるように期待している。願わくば医院を継いでくれるように育てて欲しい」とありました。

男の子を強く、たくましくさせるのは、男児を持つ私の願いでもあり、エスポワールの使命だと考えているので、希望に沿うように指導はしていますが、さすがに医院を継ぐようには育てられません。他の開業医のお父様もそうですが、私の友人の開業医も自分の子に継がせたいと、一緒に飲みに行く度にこぼしています。それも、まだ7ヶ月の乳児にです。勤務医さんからはそのようなことは聞かれないですが、開業医さんは多いですね。

我が家の愚息は走るのが楽しくなりかけた2歳前ですが、人見知りがあります。この月齢での人見知りは決して珍しくはないのですが、まだ、ハイハイしかできない生後10ヶ月の従兄弟に遠慮してしまい、ミカンの争奪戦で敗北してしまいました。心配するほどの年齢でないのは分かっているのですが、親とすれば些細なことでも心配でなりません。

エスポワールに入会した動機を保護者に尋ねると、人見知り、場所見知りが上位にランクされます。入試はある意味で、目立ってなんぼであり、大勢の中で押し黙っていると影がみるみると小さくなり、その子の存在は消えてしまいます。言わなくてはならない場所で、言うべきことをはっきりと伝えられないと、学校はその子を欲しいとは思わないでしょう。

エスポワールの授業が始まる前は来た順に席に座ります。社交的な子供は「先生、この前ディズニーランドに行ってね・・・」と積極的に話し掛けてきます。重なるように「僕はアンパンマンのね・・・」「昨日お母さんと・・・」一人の話が終わらないうちに次々と話し掛けてきます。10名の生徒がいると2名(多くて3名)くらいが競って先生の気を引こうと一生懸命になります。別の2名くらいは言いたくても言い出せないような躊躇した顔をしています。残りの5名は天井を見ていたり、足下を覗いていたりと無関心です。どのクラスでもこの比率は殆ど変わりません。

これは幼稚園の縮図だと思います。30名クラスなら2割の6名が先生を取り巻き、あーだのこーだのと話し掛けて自分に注意を引こうとします。また、別の6名くらいが目や体で構ってくれとシグナルを出しています。その他大勢は蚊帳(かや)の外に置かれます。蚊帳の外の子供は先生の方から相手にしてくれるのをジッと待ちます。待てど暮らせど構ってくれないと、そのうちに無気力、無関心状態になります。これは自分を守るための防御姿勢です。

エスポワールでは先生の方から積極的に蚊帳の外側にいる一人一人を呼び戻し、日直の仕事や人前でのスピーチを重ねることで、言葉を使って自己主張ができるように指導しています。これは一朝一夕では無理で、長い時間は掛かりますが、入試前にはどのクラスでも「先生、聞いて!聞いて!」の嵐になり、そして、時間になり「ハイ!授業を始めます」の合図でピタッとものの見事に静かになります。

私自身の幼児期は、母に言わせると、言葉で先生に取り巻く方ではなく、園服のボタンをちぎっては縫ってくれ(構ってくれ)と先生にせがんだり、職員室の輪ゴムを失敬しては女の子をパチンとやって故意に先生に叱られるようにしていたそうです。素直な子ではなかったらしいです。

大好きだった先生の取り巻きになれず、ある意味で蚊帳の外の子供たちと同じように疎外感を感じていたのでしょう。その為か、私と同じ境遇の子供にはとても敏感です。私は恵比寿、茗荷谷の教室を巡回して、窓越しに「さびしんぼう」を探してチェックしています。その「さびしんぼう」がこの秋までに華麗に変身する姿を楽しみにしています。私が視察中に子供の「先生、私を見て」のシグナルに気付かないような鈍感な講師は懲罰ものです。

(メルマガ担当:トモヤ)



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