小学校受験はエスポワール

 

受験体操

朝日新聞(4月5日朝刊)の教育に関する特集によると『医師や大手企業幹部などの「高所得職業群」の子どもは、そうでない子どもの17倍、名門ソウル大社会科学部の門をくぐる可能性がある』とソウル大の4教授が発表したとありました。

17倍とは驚きです。仮に1万人のキャンパスなら9400名〜9500名の学生が医師や大手企業幹部の子供で占めるということです。これだけ差がつくとサラリーマンの子供はソウル大には殆ど存在しないことになります。

お隣の韓国は大学へ行けないような貧しい国でもありませんし、ソウル大は韓国の最高学府なのでお金を積んで入学できる学校でもありません。日本と同じく国民総中産階級で、日本以上に過酷な受験戦争だということしか知りません。

それにしても、何故、これだけの差が生じるのか理解できません。勉強時間には貧富の差はありません。教育費と言っても進学塾の月謝などは医師や大手企業幹部の家庭でなければ支払えないような額ではありません。ごく普通のサラリーマン家庭でも頑張れば、連日連夜、塾に通わせることなど可能です。遺伝や血筋と言っても1万名中の9400名が優秀な血統であるはずもありません。知的な生活環境であることに違いないですが、「高所得職業群」でなくても知的な生活環境が整っているサラリーマン家庭はいくらでもあります。

勉強時間でなく、塾でもなければ違いは何でしょう。私にはさっぱり分かりません。勉強の“量”でなければ“質”が違うのでしょうか。

ここからはいい加減なことを書きますが、違いを出せるとしたら家庭教師くらいかなと思います。さしずめ日本なら『数学』の家庭教師はテレビでも有名な数学者の秋山仁先生にお願いし、『現国』は「蹴りたい背中」で芥川賞を受賞した早大生の綿矢りさ先生、または「私家版日本語文法」の著者で「ひょっこりひょうたん島」の脚本家でもあった井上ひさし先生、『古文』は「声に出して読みたい日本語」の著者である齋藤孝明治大学教授、『社会系』はノンフィクション作家の立花隆先生、『理科系』は宇宙飛行士の毛利衛先生、『英語』はNHK「英語でしゃべらナイト」のパトリック・ハーラン先生などなど。お金にものを言わせて子供の学力を伸ばす方法は私にはこれくらいしか思いつきません。書きながら感じたのですが、このような超一流の家庭教師が日替わりで家へ訪ねてくれたら、きっと毎日の勉強が楽しくて楽しくて仕方ないだろうと思います。超一流の指導者を迎えるのは皇室や名家では実は当たり前のことのようです。

・・・さて、韓国の受験事情に精通されている方がいましたら、是非、17倍の謎を教えてください。お待ちしております。

今週は『受験体操』について書く予定でしたが、枕のつもりの韓国の話題がとても長くなってしまいました。受験体操については奥の深い話題ではないので手短にご紹介します。

幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、大学院と数々の入試がありますが、運動の試験があるのは小学校の入試ぐらいです。幼稚園はあったとしてもお遊戯程度です。中学校以上は体育大学以外は運動テストなど存在しません。

多くのお母様は試験内容に「運動」があるので受験体操教室やスポーツクラブに通わせているようです。実際にこの世界に身を置いている私から言わせると、運動能力と合否は関係ありません。縄跳びができなくても合格する子は合格し、縄跳びができても落ちる子は落ちます。平均台から落ちても、まり突きで失敗しても合格する子は合格しているのです。ペーパーで大きなミスをしたら落ちますが、平均台や縄跳びで大きなミスをしても不思議と落ちないのです。

小学校は身体能力が高い子を合格させ、高くない子を不合格にする教育機関ではありません。ましてや月齢で大きな差のある5歳児の身体能力を計る必要は学校にはないのです。普通にできればよいのです。失敗もアリなのです。運が悪ければ平均台から落ちます。運が悪ければまり突きを失敗します。運が悪ければ的当てボール投げに失敗します。運が悪ければ、ボーリングで1本も倒せません。このような運不運で優秀な子供を落とす必要はないのです。運があった優秀でない子供を合格させる必要もないのです。

運動試験の「運動能力」については、失敗しても挫けずに、ごく普通にできれば良いのです。誰だって失敗するときは失敗するものです。5歳児ならなおさらです。また、体力を増強させる特別なトレーニングも必要ありません。

運動試験で一番重要なことは「指示行動」です。一度に複数の指示を理解しなければなりません。「真っ直ぐに走って、赤い三角(カラーコーン)を右に回り、平均台を渡って、ボールを的に当てて、熊さん歩きで戻り、次のお友達とタッチしてください」と指示を出します。お手本を見せる場合もあります。人の話をしっかり聞いて、理解しながら行動できるかのテストです。要はボケボケした要領の悪い子を排除する為のものです。更にボール等を次の子に渡したときに「どうぞ」や「ありがとう」が自然と口をついて言えるかどうか、ご家庭のしつけ面ももここで試されます。

指示を間違えれば不合格になる可能性は大ですが、運悪く平均台から落ちても大丈夫です。指示の聞けない子を6年間在籍させると学校側にとって大きなデメリットですが、平均台から落ちただけの優秀な子を6年間在籍させても学校側にデメリットはありません。

合格発表で受験番号が不自然に大きく抜けていることがありますが、私は指示行動で間違えた子につられて次々とミスを犯したのではと思っています。

エスポワールの運動指導で一番気を遣っていることは、呼ばれたら大きな声で手を挙げて返事をする。猫背だだったり、肩を揺すりながら歩かない。格好良く運動座りをする。奇声や私語は厳禁。キョロキョロよそ見をしない。先生が話し出したら先生の目を見て話を聞く。指示は一度で覚える。お友達の行動を観察させ、どこが良いか悪いかの意見を言わせる。他人の行動を観察させると自らの矯正は容易です。運動能力は二の次、三の次となります。平均台は体験しないと怖いものなので何度も渡らせます。跳び箱も怖がる子がいるので何度も体験です。ケンケンパ(またはケンパ)などの基本的な遊びも無認可保育園などの子供は知らない場合が多いので経験させます。基本的に認可保育園は良いのですが、認証、無認可となるほど、運動器具が充実していなかったり、運動遊びの経験が少ない子が多いようです。

よくあるご質問に、運動試験対策にスポーツ教室は如何ですかというものがあります。そもそもスポーツ教室は一つ一つのスポーツが好きになる、できるようになる、楽しめるようになる為のものであり、複合的な指示行動に向いているとは思えません。行動を俊敏にさせたり、スポーツ好きにさせるなら、とても有意義なお稽古ごとだと思います。

巷の受験体操教室は指示行動が平均よりも劣っていると思えるようなお子様なら、トレーニングの為に必要です。ごく普通のお子様なら今通われているような幼児教室の運動授業で十分です。エスポワールでも運動に特別に多くの時間を割いてはいません。普通以上の子供たちばかりなので、ここで多くの時間を割くよりも、もっと差がつく有意義な課題に貴重な時間を割り当てたいと考えています。

幼児教室に通っていなくても心配するほどのことではありません。園に運動用具があって普通に指導していれば怖がることもありません。後は人の話をしっかりと聞くことができ、年相応に要領が良ければ大丈夫です。

(メルマガ担当:上田トモヤ)



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