小学校受験はエスポワール

 

実践指導(絵画)

<臨時増刊号・・・齋藤伸子先生の絵画指導>

東京では桜の開花宣言がされ、いよいよ春本番です。春生まれである私は、桜の開花宣言を聞くと、新しい年の幕開けと言う気分になります。今年がどんな1年になるのか期待で胸がいっぱいです。

子どもたちは、年長組さんの卒園式を終え、1つお兄さん、お姉さんになるのをワクワクしながら待っているようです。お父様、お母様にとっては、受験まであと何日・・・・と思って子どもたちとは違う感情をお持ちになっているかもしれませんね。

今回は、子どもたちの絵画について少しお話しさせて頂きます。2〜3歳児のお子様は、なぐり描きの時期が終わり、形を描き始める時期にはいります。また、なぐり描きの子もただ線を描くだけではなく、色々な線に意味をつけ始めます。

「これはね、スイカだよ。こっちはねミカン。この青いのは電車。ぼく電車が好きなんだよ」と画用紙いっぱいに描かれた線を指さしながら、お話ししてくれます。

クレヨンの持ち方をきちんと教えるのは、このくらいの時期がよいでしょう。始めは、弱い線しか描くことが出来ないと思いますが、クレヨンの持ち方に慣れると、強い線が描けるようになってきます。

年少さんになりますと、頭足人(頭から手や足が生えている絵)を描くようになって来ます。この時期の絵は上手な子とそうでない子の差が大きく開きます。これは得意不得意もありますが、脳や体の発達の問題ですので、仕方ありません。しかし、色の塗りは大きく成長させることが出来ます。

ここからは、ぐぐっと成長できる絵画の取り組み方を説明致します。まず、塗り絵などお子様の好きな絵(あまり細かくない絵が理想です)を用意し、好きなように塗らせてあげてください。ほとんどのお子様が、線も紙も関係なく腕を振って塗る様な状態だと思います。この状態を改善させるには、的確な言葉掛けと見本が大切です。

エスポワールでは、子どもたちが使う絵を拡大したものを用意します。何事も模倣が大切ですので、指導者が塗り方の見本を見せます。塗りながら、わざとはみ出し「あれれ、はみだしちゃった。こういうの上手かな?」などと問いかけ、子どもたちの反応を伺います。ほとんどの子どもたちは「だめ」とか「はみ出さない方がいい」と言います。はみださない方が良いことを子どもたちは知っているのです。

そして、その後ははみ出しや塗り残しがないように濃く色を塗っていきます。一通り指導者が塗り終わってから「失敗しないように、はみ出さないように塗ろうね」と言って子どもたちに取り組むように促します。指導者の丁寧な塗り方を見ていた子どもたちは、真似をして丁寧に一生懸命塗り始めます。また、塗ってる最中に「ゴシゴシ塗ろうね」と大きな声で力強く言うだけで、子どもたちの手にも力が入り、「そこはゴシゴシゴシ」と早口で言うと子どもたちの手が細かく早く動くようになります。

子どもたちは音の響きを体に伝える天才です。言葉での説明よりも擬声語擬態語等の音で伝えることが重要です。

次は年中さんです。年中さんでは、塗りの仕上げをしたいと思います。子どもたちの絵を見ていると単色で塗っている子がほとんどです。しかし、クレヨンもクーピーも色鉛筆も混ぜて塗るととてもきれいな色が生まれてきます。

そこで、年中さんには実物や写真などを見せながら色を塗るようにします。「これはどんな色かな?」と問うように聞き、色の配色を言葉で言うように促します。このくらいの年齢ですと、頭の中で考えるのは非常に難しい為、言葉にして言うことでどんな色を使えばよいのかが、はっきりと分かるようになります。この方法は、観察画とほぼ一緒ですが、絵は描きませんので塗りに集中することが出来ます。

新しい色の発見もあり、子どもたちも楽しく取り組むことが出来ます。もちろん、はみ出しには注意です。さらに塗り残しはしないようにしましょう。子どもたちに塗り残しを理解させるには「塗った絵を遠くから眺める」ことです。

近くで見るよりも遠くから眺めた方が、塗り残しや色のむらがなくなります。最終的には、線の縁取りをしてから中を一定方向に塗る様に出来れば完璧です。少しずつ描きの練習も始めましょう。

まずは、写し紙を使い好きな絵を描き写す事から始めます。線の描き方などを真似をすることで、今まで描くことの出来なかったものが描けるようになります。写し紙の次は模倣です。好きな絵を真似して描きます。最後に、真似していた絵を自分流にアレンジして描きます。課題に取り組むのではなく、遊びながら発展させられるといいでしょう。

最後は年長さんです。年長さんに大切なことは、塗りとフリーハンドです。塗りは年少、年中さんでお話ししたことを取り組まれるとよいでしょう。フリーハンドで大切なことは、何を描いたかが分かることです。それは、描いた本人が分かるだけでは困ってしまいますね。それでは、どうすればよいのでしょうか・・・。

ここも言葉掛けで改善していきましょう。ここでの言葉掛けは「見た人が分かる絵を描きましょう」です。これを言われた後、子どもたちはなかなか、手を動かすことが出来ません。なぜなら、絵に対する意識が変わり、頭の中でどのように描こうか模索しているからです。その時はそっと見守って下さい。

最後に、ご家庭で絵画を取り組まれるときの注意点です。1つ目は、お父様やお母様がなるべく一緒に描いて下さい。それは見本としてではなく、お子様と一緒にどうしたらうまく描けるか、うまく塗れるかを考える為です。子どもたちは「させられている」という意識が高くなると飽きてきます。

しかし、大好きなお父様やお母様と一緒にできると言うだけで取り組み方が変わります。お父様もお母様も一緒に取り組むことで、アドバイスの仕方が見えてくるはずです。

2つ目は、お子様だけで取り組むという場合は、そばで決して見ていないでください。誰でもそうですが、じっと見ていられると描きにくいものです。塗り方や描き方などが気になりますが、「出来たら見せてね。楽しみにしているから」と声をかけて離れた場所に行きましょう。そして、出来上がった作品を持ってきたときに「どうやって描いたの?どうやって塗ったの?」と興味津々に聞いてあげて下さい。

もし、出来上がった作品を注意したいときは「ここはこうした方がもっと素敵に見えるよ」と明確なアドバイスをしてあげて下さい。絵画だけではなく、家庭学習もそうですが、楽しくするのもつまらなくするのもお父様やお母様なのです。その子に合った言葉を掛けること。指示するのでなく、ヒントを与え正しい道に導かせる言葉掛けをすること。子どもたちが成長する上で言葉のヒントはとても重要だと私は思います。

これから、学年が一つあがる子どもたちに、どのように接し、どのような言葉掛けをするか、私も気持ちを新たに考えていきたいと思います。是非とも、お父様やお母様方にもお考えいただきたいと思います。

(増刊号担当:齋藤伸子)



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