<021> 小学校受験の願書の正しい書き方(その2)

前回の続きを書きます。

真剣に考える人もいるとは思いますが、願書は願書です。申し込み手続きの書類に過ぎません。入社試験を受けるときの履歴書と同じです。履歴書の書き方が非常識なら門前払いもありますが、書き方が優れているという理由で合格できる訳ではありませんよね。あくまでも、学歴、職歴、人物本位です。志望理由欄に書いてあることを真に受ける人事担当者なんか誰もいません。そもそも、志願者でさえも、本音ではなく、建て前ばかりを書いていいるのですから。

何万円も支払って履歴書を添削してもらう人はいませんよね。どんなに履歴書をピカピカに磨いたって、経歴と人物は不変です。いくら背伸びをしたって、面接をすれば、本性が現れるだけなのです。

さて、小学校の願書には、何を記載する欄があるのかな?

*子供の氏名・性別・生年月日
*住所・電話番号
*家族構成欄
*志望理由欄
*お子様の性格(長所や短所)
*備考欄(その他ご意見があれば等)

学校によってもまちまちですが、基本は上記の通りです。学校側が注目するところは、まず最初に「家族構成欄」です。学校のカラーと家庭のカラーが合致するかどうかを調べるために「家族構成欄」に注目をします。そして、親が何者なのかを知ろうとするのです。入社試験では願書に経歴や(中途採用の場合は)職歴を書きますよね。お見合いでも身上書に経歴を書きます。私立小学校の願書でもそれと全く同じです。子供だけでは絶対に選ばれません。在校生の保護者との釣り合いが取れないような保護者は、カラーが違うので選ばれないのです。私がこの世界に入った20年以上前の願書には、両親の最終学歴と勤務先、兄弟姉妹の通学先欄もちゃんとありました。その後、国立小学校の願書が社会問題になったこともあって、現在ではその姿を消したのです。しかし、その名残(なごり)として、家族構成のそれぞれの右側には「備考欄」があります。書きたい人はご自由に書いてくださいという欄です。そのため、学歴に自信がある人は出身校と勤務先を書きます。大卒でなくても経営者なら、出身校は書かずに、株式会社○○代表取締役と書きます。お見合いと一緒で、自分に都合の良いことだけをアピールすればよいのです。カラーがはっきり出るような、競争率が高い学校ほど、親が何者であるかを知りたがります。これは、皆さんが想像する以上にです。

ところが、受験者数が伸び悩んでいる進学校や新参校では、このことを逆手にとって、当校の備考欄には最終学歴やご職業を書かないでくださいと、幼児教室を回ってアピールしているところもあります。「書き込んだ人はバンバン落としています」と言うところもあるのです。学歴や職業に不安を持っている人をたくさん呼び込んで、何が何でも競争率をアップさせようという、見え透いた魂胆です。書かないでくださいと注意書きがあれば別ですが、書き込んだという理由1つで、本当にバンバン落とすと思いますか?本音では一番知りたがっている情報を書いただけで、本当に落とすかどうかは、常識で考えれば判りますよね。

次は、志望理由欄についてですが、これについて書くと長くなりそうなので、次回にします。

※過去記事の再掲載です(情報は古いです)

エスポワール らくらくさん