<096> 幼児教室で誰もが羨むような「賢いお子さん」に共通していること

世の中には、いろいろな知育教材がありますよね。生まれたときから、いや、妊娠したときから英才教育を始める人もいます。知育教材の殆どは、目や手を使って脳を刺激するものです。乳児期に数多くの刺激を与えるほど、脳が他のお子さんよりも多少なりとも発達するのは事実でしょう。

それでは、幼児教室で誰もが羨むような優秀な頭脳を持っているお子さんは、巷に溢れている知育教材を使っていたかというと、決してそうではありません。知育教材のナントカ保育園とか右脳教室のナントカに通っているお子さんばかりが、成績の上位を占めることはないです。他のお子さんよりも、少々短期記憶が優れているとかはありますが、その程度の違いしか現れてはいません。殆どは、親から聞かされるまで、知育に関わっていたことに気付かないくらいです。

知育で「脳を発達させたお子さん」と、幼児教室にいる「賢いお子さん」は同一ではありません。

発達している脳の部分が違うと思います。知育では表面的な部分が限界だと思うのです。解り易く例えると、平面的な2次元の世界です。これでも、ある程度の受験問題は解くことが出来ます。それに対して、賢いお子さんは、平面だけではなく、物事の奥行きまで認知できます。もっと解り易く説明すると、子供的な思考と、大人の思考の違いです。更に別の表現で説明すると、深読みが出来るか否かです。思考が表面的なものなのか、それとも、もっと深く考えることが出来るかです。

ここが、ペーパー難関校の問題がサクサク解けるかどうかの違いに現れてきます。幼児にとって、知識や常識問題などの「問題」とその「正解」は問題集を何度も繰り返せば、容易に覚えることが出来ます。ところが、正解を導くまでに、一ひねり、二ひねり入ってしまうような問題はお手上げです。パターン学習では手に負えないからです。

ところで、難関校の問題をサクサク解けるお子さんは、他のお子さんと何処が違うのでしょうか。

たまたま早熟だったという、生まれ持ったものもあるでしょう。兄や姉と交わることによって、知能が向上したお子さんもいるでしょう。このような恵まれたお子さんもいますが、そうではないお子さんもいます。難関校の問題をサクサク解ける全てのお子さんには、例外なく2つの共通項があるのです。

その1 本を多読する子
その2 親から大人扱いをされている子

たくさんの(絵本ではない挿絵だけの)本を読むことによって、幼児の思考を卒業するように思えます。本によって、あらゆる経験や考え方を疑似体験するので、それだけ(擬似的な人生経験が豊富になるので)大人びてくるのでしょう。絵のない本の内容を理解するには、脳内で複雑な処理が必要になるので、頭の回転も速まります。

また、親が子供と「大人としての会話」をしたり、「大人同様の生活環境」を整えてあげると、子供の精神や思考回路は幼児を卒業するのです。

父=母>子供 ではなく
父=母=子供 の対等な関係です。

難問がサクサク解けるようになりたいのなら、夏期講習や直前講習に大金を注ぎ込むよりも、効果はあります。なぜなら、難問をサクサク解けるお子さんには、必ず上記の2つが備わっているからです。逆に、上記の2つが欠けていれば、どんなに勉強をしても最後の壁を乗り越えることは不可能です。

 

※過去記事の再掲載です(情報は古いです)

エスポワール らくらくさん