小学校受験はエスポワール

 

「お話の記憶」が苦手な皆さんに極意を伝授します

今日も『お話の記憶』の続きを書きます。

前回は覚えられない理由として、次の3つを取り上げました。
(1)短期記憶を司る脳の部分が未発達だと、聞いた先から忘れてしまいます。
(2)脳が発達していても、覚えようと思う意識がなければ、脳は機能しません。
(3)覚えようと思う意識があっても、ストーリーを頭の中でイメージできなければ忘れます。

(2)については1.3倍速で集中力を高めるという記事を書きましたね。(1)については触れませんでしたが、これは脳が発達途上のため、即効性のある解決方法はありません。ハイハイしている子に、「今すぐに歩け」と言うのと同じことだからです。他のお子さんと比べて焦ったりせずに、長い目で見守ってください。

さて、私はエスポワールでアシスタントに入っているときは、講師が保護者に講評を行っているときに、子供たちに絵本を読み聞かせていました。家でも息子が小さい頃から絵本を読み聞かせています。普通の親なら、最後まで読んだら、「これで、お終い」で終わりますが、私は終わらせません。必ず次のように訊きます。それは、感想ではありません。

主人公が着ていた服や、行った場所、出会った人、その時の音など、絵だけではなく、文字で表現されている「描写」の部分を質問します。

最初の頃は、「知らない」「覚えてない」「忘れちゃった」と言っていましたが、最後に必ず訊かれると思うと、人間の脳は不思議と「記憶モード」に入るようです。回数を重ねるにつれて、正解率は上がってきます。これは脳の記憶する部分を刺激するので、(1)の解決方法にも繋がるのです。

私は今も(まだ下の娘もいるので)読み聞かせていますが、細かい描写の質問は卒業して、今では・・・

「もしも、太郎(息子の仮名)が、あの場面にいたなら、どのように考えたかな?」
「このお話に続きがあるとしたら、太郎だったらどんなお話を作るかな?」
「この本を書いた人は、読んでいる人に何を伝えたかったのかな?」
「この本で一番大切な文章は何処だと思いますか?」

などと、今までよりもレベルの高い質問をしています。これも回数を重ねると、オトナの予想に反して「おぉ〜」と唸らせる答えが返ってくることもあるので、ただの読み聞かせよりは、ずっと賢くなることでしょう。

問題は(3)ですよね。脳は一定レベルに発達している。聞く耳も持っている。全体のストーリーも覚えている。しかし、遡って質問したら、細かいところは何も覚えていない。これはオトナでもいますよね。駅までの行き方を人に尋ねたときに・・・

「最初の角を右に曲がって、2つ目の交差点を左に曲がり、1つ目の信号を右に行けば駅です」

このように言われたときに、コトバとして・・・

(1)最初の角を右
(2)2つ目の交差点左
(3)1つ目の信号右

と覚えるか、それとも、頭の中にイメージ(この場合は地図)が出て来るかの違いだと思います。コトバとして覚えたら、すぐに忘れてしまいますが、頭の中にイメージを描くことが出来れば、簡単には忘れませんよね。

幼児も、お話の記憶のストーリーをコトバとして聞いていれば、簡単に忘れます。

忘れないようにするには、頭の中でイメージをさせるしかありません。赤ずきんちゃんが、森の暗い小径を歩いているのなら・・・頭の中に・・・

(ステップ1)赤ずきんちゃんをイメージさせる(静止画としてイメージする)
(ステップ2)ずきんを赤にイメージさせる(カラー化する)
(ステップ3)赤ずきんちゃんを歩かせる(動画化する)
(ステップ4)森の暗い小径を歩かせる(風景や場面を合体させる)

一度に物語の全てをイメージ化させるのは無理ですし、その必要もありません。一部分でよいのです。時間は掛かりますが、その一部分でも楽々とイメージができるようになれば、その後のストーリーは、脳が引き継いで処理してくれます。キッカケを与えた後は脳にお任せです。大切なことは、イメージトレーニングには、お話が長い童話などではなく、オリジナルのショートストーリーの方が相応しいということです。短いお話を最初は目をつぶったままイメージさせて、徐々に長くしていく中で目を開けさせます。この段階まで来れば、頭に中で、強く意識してイメージをしなくても、オトナと同じように、意識の奥でコンマ何秒かのチラッとした瞬間のイメージだけで記憶が繋がっていくようになります。オトナでも道順を覚えること以外では、ベッタリとしたイメージを思い浮かべませんよね。ポイントポイントをチラッチラッと覚えているに過ぎません。

これで、克服できるでしょう。

以上は6月開講の「上田塾」のカリキュラムから、指導法をご紹介しました。実際に指導を行っている中で、新たな発見や効果が見つかれば、その都度、このブログでご紹介させて頂きます。お楽しみに。

(エスポッポ倶楽部:上田トモヤ)


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