小学校受験はエスポワール

 

絵日記を書くことで知能を高める

エスポワールでは、全学年のクラスで絵日記が宿題になっています。これは私がエスポワールの創立時から最もこだわったことです。絵が上手になることだけが、主な目的ではありません。それでは、何故だか分かりますか?

答えは、「知能が高くなる」からです。

幼児は今に生きています。未来のことを考える頭は持ち合わせていません。だから、未来を予測するのが苦手なんです。同じように、幼児は過去を振り返りませんし、想い出に浸ることもありません。このため、常に現在進行形で生きているのです。興味があるのは、今のこの瞬間なのです。(ホントの原因は脳が未発達であることに関係します)

過去にも書きましたが、脳を刺激して発達させる一つの方法に「未来を予測させる」ということを紹介しました。今までの経験則や与えられた条件を使って未来を予測させれば、それだけ脳が発達するのです。脳を発達させるためには、未来を予測させるための課題を次々と与えて、脳に刺激を与えます。飛行機雲のお話は先日に書きましたよね。ブログやメルマガでご紹介したかどうかは忘れましたが、絵本の読み聞かせを途中で中断して、その続きを考えさせるお話は書いたかな・・・。都知事であり、作家の石原慎太郎さんは、小説書きの修行中の頃は、著名な作家の作品を途中まで読み、その続きを自分で書いては、本文と見比べて、ストーリーの展開力や文章力を自己採点していたというインタビュー記事を読んだことがあります。

随分と脱線しましたが、過去についても同じです。幼児は、過去の出来事には全く興味がありませんので、考えようとも、思い出そうともしません。そのため、脳を発達させるには、過去についても考えさせる必要があるのです。

頭脳が発達しているお子さんは過去を語れるのです。

面接で、「夏休みの想い出をお話ししてください」と質問するのは、日本語能力(正確な日本語と5W1Hで話す)を測る目的もありますが、過去についてどれだけ語れるのかを併せて見ています。試しにお子さんに、「この春休みにお出掛けしたことで一番楽しかったことについてお話をしてください」と訊いてみてください。お子さんが10名いたら8名くらいの親は、お子さんの答えに愕然とすると思います。ちなみに、エスポワールに通う標準的なお子さんですと・・・ 「3月28日土曜日に、私はお父さんとお母さんと3人で上野公園へお花見に行きました。満開ではなかったけれど、とても綺麗でした」と、 このように答えるでしょう。スピーチの授業(過去の出来事を語る)は毎月あるので、何時、何処で、誰と、何をして、どう思ったかは必須なのです。殆どのお子さんは、いきなり前に立たされて発表させても、瞬時に過去のお話をすることが出来ます。その理由は・・・

絵日記を書いているからです。

絵日記の宿題は1週間に1度なので、毎日は書いていません。提出の基本は1日分だけです。授業の当日の朝や前日に、親に促されながら書かされているのでしょう。嫌々書いているお子さんも多いとは思いますが、過去の出来事を思い出して、その情景を絵に描く作業は、脳の発達に大いに役立っているのです。

脳を発達させるので、皆さんも絵日記を取り入れませんか。お勧めは定番のマルマンB4のスケッチブックです。見開きにして、それを縦に上下に使います。綴じ目よりも上側の用紙には絵を描きます。下側の用紙には、新年長さんは本人が文章を書きます。一番多いのはカタカナ交じりの平仮名ですが、夏休み頃になると漢字交じりの文章を書くお子さんが出てきます。新年中さんは平仮名が多いです。新年少さんは文字が書けないので、お母さんがお子さんの言葉で代筆します。毎回、最初に縦の罫線を親が書いてください。稀にですが方眼を書いている親もいます。几帳面ですよね。方眼の国語ノートに文章を書かせて、それを絵日記に貼ってくる方もいます。国語ノートの方眼は小さいので書きづらいけれど、これもありでしょう。

絵日記の絵画力は、元々絵が上手なお子さんは、200%、300%、400%と飛躍的に伸びています。子供は勝手に絵が上手になる訳ではないので、描写方法などは親に習っているのでしょう。これは悪いことではありません。例えば、スキーに出掛けたとしても、幼児の脳では、格好のよい滑走のアングルを描写できるはずがありません。最初は親に習わなければ無理です。習った上で絵日記に描いているのです。

絵が上手でないお子さんの上達は遅いです。成長は10%、20、30%と少しずつ前進し、絵が得意なお子さん(親の関与あり)との差は開きっぱなしです。ところが、絵が上手ではなくても、絵日記をキッカケに親の“積極的”な関与が入ると、絵画力は飛躍的に伸びているのです。親の“積極的”な関与とは、絵日記を書く前に、何をどのように描くのかを話し合う。そして、下絵を描かせる。その表現したい絵を基に、親が手本として描いた参考の絵を見せて、何度か模倣させる。それが自分のテクニックとして身に付いてから、絵日記に描かせるのです。最終的には、どうしても表現できない苦手な描写の部分だけを教えるようにするのです。毎回、親が参考の絵を描く必要はありません。幼児の技量では無理な絵を中心に教えるだけです。親が絵を描くのが苦手だったり、絵心がなくても、幼児よりも上手なので大丈夫です。年長さんになったら、アニメ風の三ツ山のチューリップを描かせない、アニメ風の瞳を描かせない、耳を描く、眉毛を描く、首を描く、腕や足に関節がある絵を描く、表情のある顔(喜怒哀楽)を描く、こぢんまりとせずに、躍動感が溢れるダイナミックな絵(自分で考えたサイズの3倍大きく)を描く、背景も思い出して描く・・・このような基本的なことでよいのです。ごく稀に親の関与が入りすぎて、親が絵を描いてくる場合もあります。一人っ子で溺愛タイプ(母−息子)が多いですね。駄々をこねたので代筆したのかな。幼児が描いた絵日記を1日の授業で何十枚も見ているので、一目見ただけで、幼児のタッチか親のタッチかが判ります。どんなに幼稚に描いたつもりでも、筆圧や筆の運びでバレバレなんですね。(駄々をこねたら、白紙で構いません。それをそのまま提出させて、自分で考えさせればよいのです。講師も解っているので適切な言葉掛けを与えます)

絵日記は、幼児にとって苦手な過去を回想するので、脳を刺激します。自分で文章を整理(5W1H)して書く(親も関与するけれど)ので、日常会話以上に日本語能力が向上します。親が絵にも関与することで絵が上手になり、絵日記繋がりの親子間のコミュニケーションも密になります。このようなことで、いろいろな意味において、脳を刺激して、頭脳が発達するのです。

エスポワールの授業は週に1時間か2時間ですが、更に絵日記の制作に必要な30分〜1時間分の授業を親に代行して頂いているのです。私がこだわって絵日記を導入してから7年が経ちますが、その意図をご紹介したのは、実は今回が初めてです。教室の先生にも話したことがありません。親の積極的な関与を教えて欲しかったと言われるかも知れませんが、絵日記の「宿題」は宿題という名の(それぞれのご家庭で考える)課題なのです。

(エスポッポ倶楽部:上田トモヤ)


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